帯状疱疹の治療
早期に治療を開始することが大切です
早期にウイルスの増殖を抑えることが大事です
帯状疱疹の特徴的な症状である、皮膚表面の神経痛が身体の左右どちらか一方に現れ、その後、水ぶくれをともなう赤いブツブツ(発疹)が帯状に出てくるような場合、又は、最初に皮フ症状が出て、その後、神経痛が出る場合には、できるだけ早期に奈良・学園前のかわたペインクリニックへご相談ください。
体内で帯状疱疹の原因ウイルスが増殖すると、それにともなって抗体も作られますが、抗体がウイルスを鎮圧するまでに1週間程度かかります。
この間、ウイルスによって神経線維が大きくダメージを受けると、皮膚症状が治まっても長期にわたって痛みが続く「帯状疱疹後神経痛」に繋がる恐れがありますので、できるだけ早期のうちに抗ウイルス薬を飲んで、ウイルスの増殖を防ぐようにすることが重要です。
痛みの電気信号を抑えて神経の沈静化をはかります
ウイルスの増殖によって引き起こされる急性期の痛み(帯状疱疹痛)は、神経の炎症が治まるにつれて少しずつ軽減されていきますが、適切な治療を受けずにいると神経細胞が元の状態に戻らず、痛みの電気信号を送り続ける細胞に置き換わってしまう恐れがあります。
こうなってしまうと治癒させるのが困難になったり、時間がかかったりしますので、そうならないように早めから対処することが肝心です。
足を捻挫・骨折した時、ギプスを付けて患部を安静にするように、帯状疱疹の痛みの治療でもこうした処置が必要になります。
帯状疱疹の痛みの場合には、ギプスではなく痛みの電気信号を抑えるお薬・注射を使って神経の安静化をはかります。
帯状疱疹の治療方法
皮膚症状に対する治療
帯状疱疹の皮膚症状については、抗ウイルス薬を使ってウイルスの増殖を防ぐなどの治療で改善させることが可能です。
多くの場合、皮膚症状は水ぶくれをともなう赤いブツブツ(発疹)ができ、皮膚がただれてかさぶたとなって治るという経過をたどります。
皮膚の損傷がひどい場合は皮膚科での治療が必要です。
通常、ピークを過ぎたら自然に治っていきます。
痛みに対する治療
帯状疱疹の痛みに対しては、急性期の痛み(帯状疱疹痛)であっても神経の痛みを抑えるお薬や注射(神経ブロック注射)を使って、早期から痛みをコントロールし、回復を早めて帯状疱疹後神経痛になるのを防ぐようにしています。
局所麻酔により一時的に神経を休ませて、痛みを遮断することができる神経ブロック注射は、皮膚症状の回復を早めるとともに、帯状疱疹後神経痛への移行を防ぐのにとても効果的です。
帯状疱疹が発症してから2週間から1ヶ月以内に、この神経ブロック注射を開始すれば高い確率で帯状疱疹後神経痛を防ぐことができるようになります。
かわたペインクリニックの治療の特徴
痛みの種類・程度に応じて最適な方法をご提案
帯状疱疹の痛みは、軽度のものから夜眠れないようなものまで様々です。
ですので、まずはその痛みの種類・程度をきちんと把握することが重要となります。
例えば、早い時期に強い痛みが生じているような場合には、抗ウイルス薬や痛み止めを使ってウイルスの増殖や痛みを緩和させるとともに、神経ブロック注射を並行させるという方法も検討する必要があります。
このように痛みの種類・程度に応じて最適な方法をご提案いたします。
「攻めの治療」と「守りの治療」があります
帯状疱疹の痛みに対する治療方法として、「攻めの治療」と「守りの治療」というものがあると考えています。
攻めの治療
攻めの治療とは、早期から神経の痛みを抑えるお薬や注射(神経ブロック注射)を使って、症状が改善されてきたら徐々にお薬の種類・量を変化させるというものです。
これにより治療開始4週間後など、早い段階から痛みを大幅に下げることが可能となりますが、患者様の立場から考えると「最初から神経ブロック注射をするのはちょっと…」という心理的な抵抗が生まれやすいと言えます。
守りの治療
守りの治療の場合、お薬を使って緩やかに治療を始めることになりますので、患者様の心理的な抵抗は少ないと言えますが、治療開始4週間後などにある程度まで痛みが下がった時、「では、さらに痛みを下げるために神経ブロック注射をしますか?」「さらにお薬を増やしますか?」とお尋ねすると、「今はそこまで痛くはないので、ちょっと…」となり、結果的に「ある程度まで痛みが改善した時点でそのまま止まってしまう」ということが起こるのです。
患者様との対話を通じて治療方針を決定していきます
このように帯状疱疹の治療方針として「攻めの治療」「守りの治療」というものがあり、治療する側からすれば早期にどれだけ痛みを下げられるかがポイントとなりますので、攻めの治療がベターに思われますが、どのような治療方針を取るかは患者様のお考えやご希望などに沿って決めていくべきですので、患者様とよくコミュニケーションをとったうえで最善の方法を模索していきます。
神経ブロック注射を行わないと大幅な改善が見込めないような場合でも、患者様の中には「注射は怖い」という方もおられますし、またお薬を処方する時でも、お一人おひとりに合わせて適切な種類・量を選択しないと、副作用が出て患者様が「もう飲みたくない」と思われることもあります。
こうなるとせっかく効果的なお薬が台無しになり、いくら効果が期待できてもその患者様にとっては有効ではなくなってしまいます。
どんな治療方法を選択するか、またお薬の効果と副作用のバランスをいかにコントロールするかはとても大切で、この「さじ加減」こそが専門的な知識・技術が求められる部分だと言えます。
帯状疱疹の痛みを専門的に治療する奈良・学園前のかわたペインクリニックでは、患者様お一人おひとりとの対話を通じて、最善と思われる治療方針をご提案させていただきます。